あさひのケアマネ ブログ

ケアマネ試験合格の道へ

ケアマネ試験:介護老人保健施設【行ったり来たりでいい】



ケアマネ試験問題 本試験2021年 問題44

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

問題 介護老人保健施設について正しいものはどれか。2つ選べ。

 

1    入所者の在宅復帰を目指す。

2    入所者は、要介護者より要支援者が多い。

3    サテライト型小規模介護老人保健施設は、定員29人以下である。

4    施設内で提供される保健医療サービスで完結する施設サービス計画を立てる。

5    災害その他のやむを得ない事情がある場合でも、入所定員を超えて入所させてはならない。

答え13

解説

1正しい。

介護老人保健施設(老健)は、病院と自宅の中間的な施設です。医師の管理のもと、看護・介護・リハビリテーションを提供し、利用者が再び自宅で生活できるよう支援することを目的としています。そのため「在宅復帰施設」とも呼ばれます。

2誤り。

老健に入所できるのは要介護1~5の認定を受けた人です。要支援1・2の人は入所対象ではありません。したがって、「要支援者の方が多い」という比較自体が成り立ちません。

3正しい。

介護老人保健施設(老健)には、定員29人以下の小規模介護老人保健施設があります。

小規模老健には次の3つの類型があります。

① サテライト型
② 医療機関併設型
③ 分館型

「サテライト」とは衛星という意味です。本体となる老健を中心に、その近くで密接に連携しながら運営される小規模老健をサテライト型といいます。

一方、病院や診療所に併設されているものを医療機関併設型といいます。

また、本体老健と一体的に運営され、過疎地域などに設置される小規模老健を分館型といいます。通常規模の老健を整備することが難しい地域でも、本体施設の支援を受けながらサービスを提供できる仕組みです。

つまり、

  • サテライト型=本体老健と密接に連携
  • 分館型=本体老健と一体的に運営
  • 医療機関併設型=病院・診療所に併設

という違いがあります。

いずれも「母体となる施設があって成り立つミニ老健」とイメージすると覚えやすいでしょう。試験では「小規模老健=29人以下」が頻出ポイントです。

4誤り。

老健の施設サービス計画では、施設内のサービスだけでなく、利用者や家族の状況に応じて、インフォーマルサービスや地域の社会資源も活用しながら支援を考えます。

介護保険給付上は他の居宅サービス等との併用はできませんが、施設内サービスだけで計画を完結させなければならないわけではありません。

 

5誤り。

原則として、老健は定員を超えて入所させることはできません。

しかし、災害や虐待からの避難など、やむを得ない事情がある場合には、利用者の安全確保を優先し、例外的に定員を超えて受け入れることが認められています。

在宅復帰を目指す施設
入所対象は要介護者のみ
サテライト型は29人以下
災害時などは定員超過も例外的に可能

 

*********************

✏️編集後記 行ったり来たりでいい

老健は「卒業する場所」ではなく、「支え続ける場所」かもしれない

 

私は長年、介護老人保健施設(老健)で働いていました。

当時の私は、老健とはリハビリをして元気になり、自宅へ帰るための施設だと思っていました。

病院から退院し、自宅復帰を目指すための「レベルアップ施設」。

それが老健の役割だと考えていたのです。

実際、多くの方がリハビリを頑張り、自宅へ戻っていきました。

しかし、現場で働くうちに気付かされたことがあります。

人生は思い描いた通りには進まないということです。

「家に帰りたい」

「また畑に行きたい」

「最期は自宅で過ごしたい」

そんな願いを持ちながらも、病気の進行や体力低下によって、その希望が叶わない方もいました。

老健で看取りを迎える方もいます。

私たちは、その願いを無理に変えるのではなく、その時々の本人や家族の気持ちを受け止め、一緒に悩み、一緒に考えてきました。

そして今。

私は居宅ケアマネジャーとして在宅支援に携わっています。

すると今度は、在宅生活の厳しさを目の当たりにします。

介護する家族の疲労。

夜間の不眠。

繰り返す転倒。

少しずつ進行する認知症。

「やっぱり家で暮らし続けるのは難しいのかな……」

そんな場面にも数多く出会います。

でも、その時に思い出すのです。

老健は「施設に入る場所」ではなく、「在宅生活を支える場所」でもあるということを。

体力が落ちたら短期入所でリハビリをする。

介護する家族が疲れたら少し休む。

状態が不安定になったら専門職の目で様子を見る。

そして落ち着いたら、また自宅へ戻る。

老健と在宅は対立するものではありません。

どちらかを選ぶものでもありません。

うまく行き来しながら、その人らしい暮らしを支えていくものです。

老健時代は「自宅へ帰る支援」を見てきました。

居宅ケアマネになった今は「自宅で暮らし続ける苦労」を見ています。

だからこそ思います。

老健は卒業する場所ではなく、人生の節目節目で何度でも頼れる場所なのかもしれません。

在宅と老健。

その橋渡しができることこそ、介護の大きな力なのだと感じています。

あさひ

 


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ケアマネ試験:訪問看護【犯人は薬!訪問看護が見抜いた正体】

ケアマネ試験問題 本試験2022 問題41

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

問題 訪問看護について正しいものはどれか。3選べ。

  1. 急性増悪時に主治医から特別指示書が交付された場合、介護保険から給付が行われる。 
  2. 介護保険の指定訪問看護ステーションの管理者は、原則として、常勤の保健師又は看護師でなければならない。 
  3. 提供に当たっては、常に利用者の病状、心身の状況及びその置かれている環境の的確な把握に努める。 
  4. 保険医療機関の指定を受けている病院は、介護保険の指定訪問看護事業者とみなされる。 
  5. 24時間365日、サービスを提供しなければならない。 

解答234 

 

1…謝り。

急性増悪時などに主治医から特別訪問看護指示書が交付された場合は、介護保険ではなく医療保険による訪問看護となります。

訪問看護は、要介護認定を受けている人の場合、原則として介護保険が優先されます。しかし、次のような場合は例外的に医療保険が適用されます。

  • 特別訪問看護指示書が交付された場合
  • 精神科訪問看護指示書が交付された場合
  • 厚生労働大臣が定める疾病の場合

特別訪問看護指示書は、急性増悪時、退院直後、終末期(ターミナル期)などに交付され、原則14日間に限り頻回な訪問看護を受けることができます。

 

2…正しい。

指定訪問看護ステーションの管理者は、原則として常勤の保健師、看護師でなければなりません。

介護保険法に基づく「指定訪問看護の事業の人員及び運営に関する基準」では、

「指定訪問看護ステーションの管理者は、保健師、看護師でなければならない」

と定められています。

試験では「管理者=保健師・助産師・看護師」がポイントです。

 

3…正しい。

訪問看護の提供に当たっては、常に利用者の病状や心身の状況、生活環境を把握し、適切な指導を行わなければなりません。

これは「指定訪問看護の具体的取扱方針」に定められている内容です。

訪問看護は単に医療処置を行うだけではなく、利用者や家族への指導・助言も重要な役割となります。

 

4…正しい。

保険医療機関の指定を受けている病院や診療所は、介護保険上の指定訪問看護事業者の指定を受けたものとみなされます(みなし指定)。

本来、介護保険サービスを提供するには都道府県知事の指定が必要ですが、病院や診療所などの保険医療機関は、介護保険法上の指定があったものとみなされます。

 

5…謝り。

訪問看護事業所に対して、「24時間365日サービスを提供しなければならない」という規定はありません。

ただし、利用者の状態に応じて緊急時の対応を行うため、24時間対応体制加算(緊急時訪問看護加算)を算定している事業所もあります。

24時間対応できる体制を整えている事業所はありますが、すべての訪問看護事業所に義務付けられているわけではありません。

ポイント

訪問看護は原則「介護保険」

例外的に「医療保険」になる3つ

  • 特別訪問看護指示書
  • 精神科訪問看護指示書
  • 厚生労働大臣が定める疾病

 

*********************

✏️編集後記 犯人は薬でした!

ある日、利用者さんが椅子に座ったままウトウト…。

 

「よく眠れているんだなぁ」

 

と思いきや、そのまま椅子から転落。

 

幸い大きなケガはありませんでしたが、訪問看護師さんは違和感を覚えました。

 

「いやいや、これは寝不足ではなく、眠りすぎでは?」

 

まるで刑事のように原因を探っていくと、どうやら薬の副作用による強い眠気が疑われました。

 

そこで主治医へすぐに連絡。

薬を調整してもらうと、ウトウトする様子は改善し、転落の危険も大きく減りました。

もし、「年だから仕方ない」で終わらせていたらどうなっていたでしょう。

 

転落が骨折につながり、そのまま入院…ということも十分考えられます。

 

訪問看護師さんは、血圧を測るだけの仕事ではありません。

 

利用者さんの様子を観察し、小さな異変から大きな事故を防ぐ。

 

まさに在宅生活の小さなサインを見逃さない観察のプロです。

 

あさひ

 


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ケアマネ試験:排泄について【在宅介護の限界は突然やってくる】



ケアマネ試験問題 本試験2021年 問題29

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

問題 排泄について適切なものはどれか。3選べ。

 

1.排泄のアセスメントでは、排泄場所がトイレの場合には、居室、廊下、トイレの温度や明るさを確認する。

2.排泄のアセスメントでは、排便については、1週間の回数のみを確認すればよい。

3.強い尿意とともに尿が漏れることを、腹圧性尿失禁という。

4.排泄の介助に伴い、家族は腰痛や睡眠不足などの身体的影響を受けることがある。

5.食事内容の確認は、排泄のコントロールに必要である。

答え1・4・5

【解説】

1...適切。

排泄のアセスメントでは、利用者の身体機能だけでなく、排泄を行う環境も確認することが重要です。トイレまで安全に移動できるかどうかは、転倒予防や自立支援の観点からも重要なポイントとなります。そのため、居室からトイレまでの動線にある段差や障害物の有無、廊下やトイレの明るさ、室温などを確認し、安心して排泄できる環境を整えることが必要です。

 

2...適切でない。

排便のアセスメントは回数だけでは不十分です。排便の頻度だけでなく、便の硬さや形状、量、排便時の苦痛の有無、便失禁の有無なども確認する必要があります。また、水分摂取量や食事内容、服薬状況なども排便状態に大きく影響するため、総合的に評価することが大切です。

 

3...適切でない。

強い尿意を感じ、トイレに間に合わず尿が漏れてしまう状態は切迫性尿失禁です。一方、腹圧性尿失禁は、咳やくしゃみ、重い物を持ち上げた時など、お腹に力が入った際に尿が漏れる状態をいいます。骨盤底筋群の低下などが原因となることが多く、特に出産経験のある女性に多くみられます。

 

4...適切。

排泄介助は身体的負担が大きい介護の一つです。移乗介助やおむつ交換などを繰り返すことで、介護者である家族が腰痛や肩の痛みを抱えることがあります。また、夜間の排泄介助が必要な場合には、何度も起きなければならず、睡眠不足につながることもあります。家族介護者の負担にも配慮しながら支援を行うことが重要です。

 

5...適切。

排泄の状態は食事や水分摂取と密接に関係しています。水分不足は便秘の原因となり、食物繊維の不足も排便を困難にします。また、水分摂取量が増えれば尿量も増加します。そのため、排泄トラブルの原因を把握し、適切な支援を行うためには、食事内容や水分摂取状況を確認することが重要です。排泄のアセスメントでは、食事・水分・運動・服薬状況などを総合的に把握する必要があります。

 

 

*********************

✏️編集後記 在宅介護の限界は突然やってくる

「最近、お母さん夜に何回もトイレへ行くんです。」

認知症のある奥様と二人暮らしのご主人。

夜中に何度も起きてトイレへ向かう奥様ですが、身体は元気だったため、ご主人は見守る程度で済んでいました。

ところが、ある日転倒。

診断は腰椎圧迫骨折でした。

そこから状況は一変します。

奥様が「トイレに行きたい」と立ち上がるたびに、ご主人も起きて介助。

1回、2回ならまだしも…。

夜中に5回、6回、7回。

ご主人も高齢です。

眠れない日々が続きました。

「自分が頑張れば何とかなる」

そう思っていたご主人ですが、体力には限界があります。

そこで長女さんが、

「しばらく家でみるよ」

と預かることになりました。

ところが…。

長女さんも数日で睡眠不足。

昼間は仕事、夜はトイレ介助。

「お父さん、これ毎日やっていたの?」

と驚くほどの大変さでした。

そして家族は考えます。

施設入所という選択を。

振り返ると、きっかけはたった一度の転倒でした。

転倒前は在宅生活が成り立っていた。

しかし骨折によって排泄介助が必要になり、家族の睡眠が奪われ、介護力の限界を迎えたのです。

介護では「食事」や「入浴」に目が向きがちですが、実は在宅生活を左右するのは排泄であることが少なくありません。

トイレは1日3回ではありません。

夜中にも、毎日です。

しかも待ったなし。

だからこそ、ケアマネジャーが訪問した際に、

「最近トイレはどうですか?」

と聞くのは、とても大切な意味があります。

たかが排泄。

されど排泄。

高齢者の生活は、トイレから大きく変わることがあるのです。

 

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ケアマネ試験:医療連携とチームアプローチ【病院と自宅をつなぐ橋】



ケアマネ試験問題 本試験2022年 問題35

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

問題 次の記述のうち適切なものはどれか。3選べ。 

 

1.居宅介護支援事業所から病院への情報提供のため、入院時情報提供書が使われることがある。 

2.エビデンス・ベースド・メディスン(Evidence Based Medicine :EBM)は、根拠に基づく医療のことである。 

3.介護支援専門員は、患者自身が治療法を選択する際に、第三者的な立場から助言してはならない。 

4.介護支援専門員は、退院前カンファレンスに参加することが望ましい。 

5.チームアプローチでは、住民によるボランティア活動を含まない。 

答え124 

 

【解説】

医療と介護の連携では、情報共有・多職種連携・本人中心の支援が重要になります。介護支援専門員(ケアマネジャー)は、利用者が安心して在宅生活を継続できるよう、病院や医療職との橋渡し役を担います。

また、近年の医療では、科学的根拠に基づく医療(EBM)が重視されており、本人が納得して治療を選択できるよう支援することも大切です。

 

1...適切

利用者が入院した際、居宅介護支援事業所から病院へ情報提供を行うために、「入院時情報提供書」が使用されることがあります。

この書類には、利用者の基本情報、本人・家族の意向、介護サービスの利用状況、身体機能や生活上の課題、服薬状況などが記載されます。

ケアマネジャーが入院後早期に情報提供を行うことで、病院側は利用者の生活背景を把握しやすくなり、退院支援にもつながります。

なお、利用者が入院してから3日以内に医療機関へ情報提供を行うなどの要件を満たすと、入院時情報連携加算を算定できます。

 

2...適切

EBM(Evidence Based Medicine)とは、「根拠に基づく医療」のことです。

医師個人の経験や勘だけではなく、研究結果や統計データなどの科学的根拠(エビデンス)をもとに、診断や治療を行う考え方をいいます。

現在の医療では、科学的な裏付けを踏まえた医療が重視されています。

一方で、近年は NBM(Narrative Based Medicine:物語と対話に基づく医療) の考え方も大切にされています。

NBMとは、病気だけを見るのではなく、患者本人の人生や価値観、これまでの経験、家族との関係など、その人の「物語(ナラティブ)」に耳を傾けながら医療を行う考え方です。

EBMが「科学的根拠」を重視するのに対し、NBMは「その人らしさ」を重視します。

現在の医療や介護では、EBM(根拠)とNBM(本人の思い)の両方を大切にしながら支援することが求められています。

 

3...適切でない

介護支援専門員は、患者が治療法を選択する際に、第三者的な立場から助言することができます。

ケアマネジャーは、本人の生活状況や家族背景、価値観を理解している立場であり、本人が納得した選択ができるよう支援する役割があります。

ただし、医療行為を決定したり、医学的判断を行ったりする立場ではありません。

 

4...適切

介護支援専門員は、退院前カンファレンスに参加することが望ましいとされています。

退院前カンファレンスは、病院職員と在宅支援者が情報共有し、退院後の生活を円滑に始められるよう準備する場です。

ケアマネジャーが参加することで、退院後に必要なサービス調整や環境整備を適切に進めることができ、病院と在宅生活の橋渡し役として重要な役割を果たします。

 

5...適切でない

チームアプローチでは、住民によるボランティア活動も含まれます。

チームアプローチとは、医師、看護師、ケアマネジャー、民生委員、地域住民、ボランティアなど、多職種・多機関が連携して本人を支える考え方です。

本人だけでなく家族への支援も含め、地域全体で生活を支える視点が重要になります。

 

*********************

✏️編集後記 病院へ届けるのは「病気の情報」だけじゃない

先月は入院される利用者さんが続きました。

 

気が付けば、1日に3件もの医療連携シート(入院時情報提供書)を作成した日もありました。

 

病院へ情報提供というと、

「病名は?」
「飲んでいる薬は?」

そんなことを伝える書類だと思われるかもしれません。

もちろん、それも大切です。

 

でも、ケアマネが本当に伝えたいのは、その人の暮らしです。

「退院したらどうしたいのか。」

「これからどのように過ごしていきたいのか。」

「家族は何を心配しているのか。」

「本人は何を大切にしているのか。」

実は、ここが一番大切な情報だったりします。

 

病院は病気を治す場所。

 

でも、退院したら生活が始まります。

 

自宅に帰るのか。

サービスを増やすのか。

リハビリを続けるのか。

 

その先の生活を考えるためには、本人や家族の思いを共有することが欠かせません。

 

医療と介護の連携とは、単に情報を渡すことではありません。

 

本人や家族の思いを病院へ届け、病院の考えを在宅へつなぐこと。

 

その橋渡し役がケアマネジャーです。

 

医療連携シートを書きながら、いつも思います。

 

私たちがつないでいるのは、

 

病院と自宅ではなく、「その人らしい暮らし」なのかもしれません。

 

あさひ

 

 


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ケアマネ試験:アドバンス・ケア・プランニング【最後まで家にいたい】



ケアマネ試験問題 本試験2019年 問題41

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

問題 アドバンス・ケア・プランニング(ACP)について、より適切なものはどれか。2選べ。

1.人生の最終段階において自らが望む医療・ケアについて、医療・ケアチーム等と話し合い、共有するための取組をいう。

2.本人が死の直前になったときにのみ話し合う。

3.話し合った内容は、文書にまとめておく。

4.本人の考えより、医療・ケアチームの方針が優先される。

5.話し合いは、一度だけ行えばよい。

答え13 

解説

アドバンス・ケア・プランニング(ACP)とは、人生の最終段階において、自分が望む医療やケアについて前もって考え、本人・家族・医療・ケアチームなどと繰り返し話し合い、共有していく取組のことをいいます。

人は病気の進行や急変などにより、自分の意思を伝えられなくなる可能性があります。そのため、元気なうちから話し合いを始めておくことが重要とされています。また、本人の気持ちや価値観は変化することもあるため、ACPは一度決めて終わりではなく、繰り返し話し合うことが大切です。

さらに、話し合った内容は、必要な場面で確認できるよう文書として残しておくことが望ましいとされています。

1.適切

ACPとは、人生の最終段階において自らが望む医療・ケアについて、本人が前もって考え、家族や医療・ケアチーム等と話し合い、共有する取組をいいます。

生命の危機に瀕した状態では、自分の希望を十分に伝えることが難しくなる場合があります。そのため、事前に繰り返し話し合っておくことが重要です。

 

2.適切でない

ACPは、本人が死の直前になってから行うものではありません。

将来に備えて、本人が意思表示できる段階から話し合いを始めることが大切です。年齢や病気の有無にかかわらず、本人の価値観や人生観、希望する医療・ケアについて確認し共有していきます。

 

3.適切

話し合った内容は、文書にまとめておくことが望ましいとされています。

本人の状態が変化し、自分で意思を伝えられなくなった場合でも、家族や医療・ケアチームが本人の意思を確認しやすくなるためです。また、考え方が変化した際には、その内容を見直し、更新していくことも重要です。

 

4.適切でない

ACPでは、本人の意思や価値観が尊重されることが基本です。

医療・ケアチームは専門的な立場から支援や提案を行いますが、最終的には本人の希望を尊重し、その意思を医療やケアに反映させることが求められます。

 

5.適切でない

ACPは、一度話し合えば終わりではありません。

本人の病状や生活環境、気持ちの変化に応じて、内容を見直しながら繰り返し話し合うことが重要です。本人の意思は変化する可能性があるため、継続的な対話が必要とされています。

 

 

*********************

✏️編集後記

〜人生会議(ACP)で、家族が少しだけ優しくなれた話〜

「俺は、最後まで家にいたい。」

80代のお父さんが、ぽつりと言いました。

すると娘さんがすぐに、

「何言ってるの!まだそんな話早いよ!」

少し怒ったように言ったんです。

 

…実はこれ、ケアマネをしていると、よく見る光景です。

人生会議(ACP)。

 

なんだか難しそうな名前ですが、簡単に言うと、

“もしもの時、どう生きたいかを話し合う時間”

のことです。

 

最近は、「人生会議」という愛称もついています。

 

でも正直、「縁起でもない」と思われがち。

 

「まだ元気だから。」
「そんな話したら死んじゃいそう。」
「考えたくない。」

 

気持ち、すごく分かります。

 

でも、ケアマネとして現場で何度も感じることがあります。

 

それは、

“話していなかった後悔”は、とても大きい。

ということ。

 

ある利用者さんがいました。

とても頑固なお父さん。

「俺は病院嫌いだ!」
「点滴なんかいらん!」
「最後まで家だ!」

口ぐせのように言っていました。

 

でも家族は本気にしていません。

「また始まった(笑)」くらい。

 

ところが、ある日突然、体調が悪化。

本人は意思表示が難しくなり、家族会議が始まりました。

「延命ってどうする?」
「胃ろうは?」
「病院?家?」

すると娘さんが泣きながら言ったんです。

 

「お父さん、本当はどうしたかったんだろう…。」

 

その時、奥さんが静かに言いました。

 

「お父さん、前に言ってたよ。最後まで家がいいって。」

 

娘さんは少し黙って、

「…ちゃんと聞いておけばよかった。」

 

そう話しました。

 

人生会議って、実は“死ぬ準備”ではないんです。

 

後悔を減らす準備なのかもしれません。

 

「延命治療はどうしたい?」
「最期はどこで過ごしたい?」
「何を大事にしたい?」

 

難しく考えなくていい。

焼き魚は塩が強めがいい、とか。
お風呂が好き、とか。
家のソファでテレビを見たい、とか。

 

そんなその人らしさも、立派なACPです。

 

そして不思議なのですが、

 

人生会議をすると、家族の会話が少し優しくなることがあります。

 

「そんなこと考えてたんだ。」

「お母さん、本当は家が好きだったんだね。」

 

知らなかった気持ちに気づく。

 

ケアマネとして思うんです。

私たちの仕事は、サービスを調整するだけじゃない。

 

その人の生き方を、家族につなぐ仕事なのかもしれない。

 

「まだ早い。」

そう思う時こそ、実はちょうどいいタイミング。

人生会議。

 

それは、人生の終わりの話ではなく、
これからを、どう生きたいかを話す時間。

もしかしたら、一番照れくさくて、一番大切な会議なのかもしれません。

 

あさひ

 


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ケアマネ試験:リハビリテーション【まだ早いが変わる瞬間】



ケアマネ試験問題 本試験2019年再試験 問題37

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

問題 リハビリテーションについて適切なものはどれか。3選べ。

 

1.通所リハビリテーション計画は、主治の医師が作成しなければならない。

2.回復期リハビリテーションでは、機能回復、ADLの向上及び早期の社会復帰を目指す。

3.指定訪問リハビリテーションとは、病院、診療所、介護老人保健施設又は介護医療院から理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士が居宅を訪問して行うリハビリテーションをいう。

4.変形性膝関節症の発症リスクは、減量をしたり、大腿四頭筋等の筋力を鍛えたりしても、低下しない。

5.左片麻痺でみられる半側空間失認に対しては、失認空間に注意を向けるリハビリテーションを行う。

 

答え2・3・5

解説

 

1 誤り
通所リハビリテーション計画は、主治医が自ら作成しなければならないわけではありません。医師の診療や指示に基づいて、理学療法士(PT)・作業療法士(OT)・言語聴覚士(ST)などの専門職が関わりながら作成されます。そのため、「主治の医師が作成しなければならない」という記述は誤りです。

2 正しい
回復期リハビリテーションでは、脳卒中や骨折などの急性期治療後に、身体機能の回復を図りながら、ADL(日常生活動作)の向上や早期の家庭・社会復帰を目指します。利用者が再び自分らしい生活を送れるよう支援することが目的であり、本記述は正しいです。

3 正しい
指定訪問リハビリテーションとは、病院、診療所、介護老人保健施設、介護医療院などから、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士が利用者の居宅を訪問して実施するリハビリテーションのことです。自宅での生活動作の改善や維持を目的として行われるため、本記述は正しいです。

4 誤り
変形性膝関節症は、加齢や肥満、筋力低下などが発症リスクとなります。特に減量により膝への負担を軽減し、大腿四頭筋などの筋力を鍛えることで膝関節を支えやすくなるため、発症リスクや症状悪化の予防につながります。したがって、「低下しない」という記述は誤りです。

5 正しい
左片麻痺でみられる半側空間失認では、障害側の空間に注意を向けにくくなるため、失認している側に意識を向けるリハビリテーションを行います。例えば、左側を見る練習や、左側にある物を認識する訓練などを実施し、安全な生活につなげます。そのため、本記述は正しいです。

 

 

*********************

✏️編集後記「“まだ早い”が変わる瞬間」

変形性膝関節症。加齢や肥満、筋力低下などが発症リスクといわれています。

「膝が痛くて歩くのがつらい」
「階段が怖い」
そんな状態でも、

「まだ手術は早いかな…」

そう考える方は少なくありません。

 

私の住む地域には、

「この先生に手術してもらうと元気に歩けるようになる」

と評判の整形外科の先生がいます。

 

実際に、杖がいらなくなったり、買い物や旅行を楽しめるようになった方も。

 

それでも、人はすぐに決断できない。

 

不思議ですが、最後の後押しになるのは、

医師の説明だけではないことがあります。

 

「私、手術して本当に楽になったよ」

という友人の言葉。

 

あるいは、

「また一緒に出かけたいな」

というお孫さんの一言。

そんな“心が動く瞬間”で、意外と決心がつくものです。

手術は怖い。でも、手術は「終わり」ではなく、

 

もう一度、自分らしく歩くためのスタート

なのかもしれません。

 

だから私は時々聞きます。

 

「膝が良くなったら、何をしたいですか?」

 

その答えが、次の一歩につながることがあります。

 

あさひ

 


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ケアマネ試験:認知症ケア【できなくなったことより、まだできること】



ケアマネ試験問題 本試験2025年 問題30

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

問題 認知症やそのケアについて適切なものはどれか。2選べ。

 

1.軽度認知障害(MCI) は、認知症に移行することがある。

2.記憶障害や見当識障害は、認知症の中核症状である。

3.パーソン・センタード・ケアとは、介護者本位で効率を優先して行うケアのことである。

4.認知症初期集中支援チームは、行方不明の認知症の人を捜索する仕組みである。

5.認知症カフェは、介護保険の給付対象のサービスである。

答え12 

解答

1..適切。
軽度認知障害(MCI:Mild Cognitive Impairment)は、健常な状態と認知症の中間の段階です。物忘れなどの症状はみられますが、日常生活への支障は比較的少ない状態です。
MCIの人は、認知症へ移行することがあります。ただし、必ず認知症になるわけではなく、改善したり維持したりする場合もあります。

 

2..適切。
記憶障害や見当識障害は、認知症の中核症状です。

認知症の症状は大きく次の2つに分けられます。

①中核症状
脳の機能低下によって直接起こる症状で、認知症の人に共通してみられます。進行に伴い悪化しやすい特徴があります。

例:記憶障害・見当識障害・実行機能障害・失語・失行・失認

②BPSD(行動・心理症状)
以前は「周辺症状」と呼ばれていました。環境や関わり方、体調、心理状態などの影響を受け、人によって現れ方が異なります。

例:妄想・興奮・徘徊・不眠・抑うつ・幻覚など。

 

3..適切でない。
パーソン・センタード・ケアとは、介護者本位で効率を優先するケアではありません。
認知症の人を一人の「その人らしい存在」として尊重し、本人の立場に立って行うケアをいいます。

 

4..適切でない。
行方不明になった認知症高齢者などを地域で捜索する仕組みは、SOSネットワークです。

一方、認知症初期集中支援チームは、認知症が疑われる人や認知症の人、その家族を対象に、医療・介護の専門職が訪問し、早期支援を集中的に行うチームです。

捜索=SOSネットワーク」「初期支援=認知症初期集中支援チーム」で整理すると覚えやすいです。

 

5..適切でない。
認知症カフェは、介護保険給付の対象サービスではありません。
認知症の人や家族、地域住民、専門職などが気軽に交流し、相談や情報交換ができる地域の集いの場です。

 

 

🔍 試験ポイントまとめ

  • MCI → 認知症へ移行することがある
  • 記憶障害・見当識障害=中核症状
  • パーソン・センタード・ケア=本人中心
  • SOSネットワーク=捜索
  • 認知症初期集中支援チーム=初期支援
  • 認知症カフェ=介護保険給付対象外(地域の集いの場)

 

 

 

*********************

✏️編集後記 できなくなったことより、まだできること

「もう危ないから、座っていて!」

「何回同じこと言うの?」

 

認知症の介護をしていると、つい言ってしまう言葉があります。

 

ある娘さんの話です。
認知症になったお母さんと、2人暮らし。

 

昔は料理が得意で、近所でも評判だったお母さん。

 

けれど認知症が進み、味噌汁に塩を何回も入れてしまう。

火を消し忘れる。冷蔵庫を開けては「何を作るんだっけ?」と困った顔。

 

娘さんは最初、こう思っていました。

「危ないから何もさせない方がいい」
「私が全部やった方が早い」

確かにその方が効率は良い。失敗も少ない。

 

でも、ある日お母さんがポツリと言ったそうです。

「私、何もできなくなっちゃったね…」

その言葉が胸に刺さった。

認知症になると、できないことは増えていきます。

 

でも、その人らしさまで消えるわけではありません。

そこで娘さんは少し関わり方を変えました。

 

包丁は危ないと思わずお母さんにお願いする。

 

味噌汁の味見は一緒にする。
「お母さん、この味どう?」と聞いてみる。

 

すると不思議なことに、お母さんの表情が少しずつ変わっていったそうです。

「昔はね、お父さんがお味噌汁濃いって言うからさ」

 

忘れていたはずの昔話が出てきて、笑顔が増えた。

 

認知症ケアで大切なのは、

“できないこと”ばかりを見ることではありません。

 

「この人は何ができるだろう?」
「どうしたらその人らしさを守れるだろう?」

 

これが

パーソン・センタード・ケア(本人中心のケア)

の考え方です。

 

介護者本位で「早く・安全に・効率よく」だけを目指すと、本人の役割や自信を奪ってしまうことがあります。

 

もちろん介護はきれいごとではありません。
イライラする日もある。時間に追われる日もある。

 

それでも、「この人らしさを残したい」という視点が少しあるだけで、関わり方は変わります。

 

認知症になっても、人生は続いていく。
娘とお母さんの2人三脚は、以前とは違う形になったけれど――

「できなくなったこと」ではなく、
「まだ一緒にできること」を探しながら、今日も歩いているのです。

 

“認知症をみる”のではなく、“その人をみる”。

 

それが、パーソン・センタード・ケアなのかもしれません。

 

あさひ

 


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