【編集後記】パーソン・センタード・ケアとは??
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ケアマネ試験
問題 要介護認定について正しいものはどれか。3つ選べ。
1 認定調査票の基本調査項目には,口腔清潔に関する項目が含まれる。
2 認定調査票の基本調査項目には,主たる介護者に関する項目が含まれる。
3 認定調査票の基本調査項目には,集団への不適応に関する項目が含まれる。
4 要介護認定等基準時間の算定の合算対象には,疼痛の看護が含まれる。
5 要介護認定等基準時間の算定の合算対象には,認定調査票の特記事項の内容が含まれる。
(2018-21)
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解答1・3・4
認定の基本調査に関する問題ですね。
基本調査項目は大きなカテゴリでみると6つあります。
【1:身体機能・起居動作】【2:生活機能】【3:認知機能】【4:精神・行動障害】【5:社会生活への適応】【6:特別な医療】となっています。
さらに細かく見ていくとこうなります。
【身体機能・起居動作】
「1-1 麻痺等の有無(左上肢、右上肢、左下肢、右下肢、その他(四肢の欠損))
「1-2 拘縮の有無(肩関節、股関節、膝関節、その他(四肢の欠損))」
「1-3 寝返り」「1-4 起き上がり」「1-5 座位保持」「1-6 両足での立位保持」
「1-7 歩行」「1-8 立ち上がり」「1-9 片足での立位」「1-10 洗身」
「1-11 つめ切り」「1-12 視力」「1-13 聴力」
【生活機能】
「2-1 移乗」「2-2 移動」「2-3 えん下」「2-4 食事摂取」「2-5 排尿」
「2-6 排便」「2-7 口腔清潔」「2-8 洗顔」「2-9 整髪」
「2-10 上衣の着脱」「2-11 ズボン等の着脱」「2-12 外出頻度」
【認知機能】
「3-1 意思の伝達」「3-2 毎日の日課を理解」「3-3 生年月日や年齢を言う」「3-4 短期記憶」「3-5 自分の名前を言う」「3-6 今の季節を理解する」「3-7 場所の理解」「3-8 徘徊」「3-9 外出すると戻れない」
【精神・行動障害】
「4-1 物を盗られたなどと被害的になる」「4-2 作話」「4-3 泣いたり、笑ったりして感情が不安定になる」「4-4 昼夜の逆転がある」「4-5 しつこく同じ話をする」「4-6 大声をだす」「4-7 介護に抵抗する」「4-8 「家に帰る」等と言い落ち着きがない」「4-9 一人で外に出たがり目が離せない」「4-10 いろいろなものを集めたり、無断でもってくる」「4-11 物を壊したり、衣類を破いたりする」「4-12 ひどい物忘れ」「4-13 意味もなく独り言や独り笑いをする」「4-14 自分勝手に行動する」「4-15 話がまとまらず、会話にならない」
【社会生活への適応】
「5-1 薬の内服」「5-2 金銭の管理」「5-3 日常の意思決定」「5-4 集団への不適応」「5-5 買い物」「5-6 簡単な調理」
【過去14日間にうけた特別な医療について】
【処置内容】1. 点滴の管理、2. 中心静脈栄養、3. 透析、4. ストーマ(人工肛門)の処置、5. 酸素療法、6. レスピレーター(人工呼吸器)、7. 気管切開の処置、8. 疼痛の看護、9. 経管栄養
【特別な対応】10. モニター測定(血圧、心拍、酸素飽和度等)、11. 褥瘡の処置、12. カテーテル(コンドームカテーテル、留置カテーテル、ウロストーマ等)
この基本調査項目の結果によって、要介護認定等基準時間が算出されます。
1…正しい 生活機能の中に「2-7 口腔清潔」という項目があります。
2…×誤り 該当するものはありません。基本調査は「1日の介護にどれだけの時間を要するか」という基準時間を算出するものです。これは客観性が必要で、当人の状態のみで判断されるものとなっています。つまり、家族等の介護力はここに含まれません。
3…正しい 社会生活への適応のなかに「5-4 集団への不適応」という項目があります。
4…正しい 特別な医療についてというカテゴリにある【処置内容】に「8. 疼痛の看護」という項目があります。
5…誤り 前述の通り、要介護認定等基準時間は基本調査の内容のみで算出されます。特記事項や主治医意見書は勘案されません。
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【編集後記】パーソン・センタード・ケアとは?
試験勉強していると出会う言葉でもある、
「パーソン・センタード・ケア」とは、その言葉どおり「その人を中心としたケア」です。
認知症をもつ方を一律にとらえるのではなく、あくまでも一人の“人”として尊重してケアをしていくという考え方です。
どんな人にもこれまでの人生や人間関係など、
歴史があるのです。
様々な要素を踏まえてケアを行っていく必要があります。
かつて認知症をもつ方たちは
何もわからなくなり、何もできなくなった人
奇妙な行動をする人
と考えられ、食事や排せつ、入浴などの身体的な世話をすることだけが認知症に必要なケアだと思われていました。
その人の生活歴や習慣、趣味などの背景に着目しサポートすることで、悪化しているように見える認知症の状態も改善できるかもしれないと考えました。
「認知症になると何もわからなくなる」という考え、この環境を取り巻く社会そのものの考えを根本的に変えるため
パーソン・センタード・ケアを提唱されたのです。
近年では、認知症ケアの考えが大きく変化しはじめています。
認知症をもつ方が困難を抱え苦しんでいることに多くの人々が気づきはじめ「認知症になると何もわからなくなる」というのは誤解だという認識が広まりつつあります。
認知症をもつ方は、自己表現がうまくできないことが多いため人として扱われないことに不満や悲しみがあってもそれを伝えることができません。
それが継続すると心理的には
「怒り」→「あきらめ」→「無気力」
という流れになり、認知症を悪化させてしまいます。
ところが、実際にほんの少しでもパーソン・センタード・ケアを実践するだけで、驚くほど認知症に回復が見られたと。
認知症をもつ方本人の声に耳を傾け、一人の”人“として尊重するケアは、認知症の回復をもたらし、重度化していた状態から、その方本来の姿を引きだすことを可能にするということです。
今、私が関わっているあるデイサービスさんのお考えは、ここにあるそうです。
認知症の方は何をしても同じではないのですね。
今回デイサービスの変更をした、その方の変化を楽しみにしているところです。
あさひ
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