【編集後記】エンパワーメントを喜びに
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問題 介護サービス計画作成のための課題分析標準項目として正しいものはどれか。3つ選べ。
1 資産の状況
2 コミュニケーション能力
3 改善/維持の可能性
4 課題分析(アセスメント)理由
5 口腔衛生
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2019-17
解答2・4・5
課題分析標準項目は23項目でした。具体的には、「基本情報に関する項目9」と「課題分析に関する項目14」に分かれます。
【基本情報に関する項目9】
1:基本情報、2:生活状況、3:利用者の被保険者情報、4:現在利用しているサービスの状況、5:障害老人の日常生活自立度、6:認知症である老人の日常生活自立度、7:主訴、8:認定情報、9:課題分析の理由
【課題分析に関する項目14】1:健康状態、2:ADL、3:IADL、4:認知、5:コミュニケーション能力、6:社会との関わり、7:排尿・排便、8:褥瘡・皮膚の状態、9:口腔衛生、10:食事摂取、11:問題行動、12:介護力、13:居住環境、14:特別な状況
1…× 資産の状況は、課題分析標準項目には含まれません。
2…○ コミュニケーション能力は、課題分析に関する項目14に含まれます。
3…× 改善/維持の可能性は、課題分析標準項目には含まれません。
4…○ 課題分析(アセスメント)理由は、基本情報に関する項目9に含まれます。
5…○ 口腔衛生は、課題分析に関する項目14に含まれます。
暗記が大変。しかし、暗記してしまえば簡単な問題になりますね!
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【編集後記】
ケアマネジャーとして仕事をしていく際には、多くの場合、介護を必要とする本人だけではなく、家族とのかかわりが必要になってきます。そのような時に必要になってくるのが 「家族」 という小さな集団を理解するための枠組みです。
クライアントのお宅を初めて訪ねたとき、
「なんて冷たい娘だろう。父親の介護をあんなふうにして……・・・」 とか、
「なんとわがままな父親だろう。 子どもたちの犠牲をなんとも思っていない」 等の思いを抱かれたことはないでしょうか。
私たちはこのよう、時として家族のなかの誰かを悪者とみなし、 逆に他の誰かを犠牲者とみなしていたりします。
しかし、本当に誰か1人が完全な悪者でありうるのでしょうか?
家族援助の1つのアプローチ。
一般に家族療法と呼ばれている心理療法にはいくつもの異なる考え方が存在し、その考え方の違いによって、 同じように家族療法と呼ばれていても、問題の理解のしかた、援助の最終ゴール、セラピストの役割などに違いがあります。
家族の誰かを悪者にするのではなく、家族皆を取り込んできた影をそれとして認識すること、これが許しです。
これは一度切りの作業ではありません。
何度も、何度も、繰り返し向かい合っていくことです。
一人のエンパワーメントは、周りをエンパワーする力を持っています。
あるいは、周りが変わらないこともあります。
周りが変わろうと、変わるまいと、一人のエンパワーメントはその家族を変えているのです。
なぜなら、皆繋がっているのですから。
一人が変わる分だけ、家族は変化しているのです。
その貢献を生きることです。
決して理想の状態に捕らわれることのないように。
決して満たされることのない、比較と絶望の繰り返しに陥ることになります。
それよりも、いまここのエンパワーメントを喜びにしていきます。
介護においてのエンパワーメントとは、
利用者本人、家族、そして介護福祉職のもつ潜在的な能力と可能性を、どのように引き出していくかが重要であり、利用者が抱える課題をどのように利用者が解決できるように支援すること。
小さな変化…それで十分だからです。
エンパワーしている家族は、生きる意味と、生きる活力を与えてくれます。
このように豊かで深いつながりがあるのとないのとでは、人生にどれほど大きな違いをもたらすでしょうか。
それは最初からそこにあるものではなく、時間をかけて皆で育てていくものです。
先入観ではなく、エンパワーメントを面白さを感じていきたいですね。
あさひ