【編集後記】挫折という刃
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問題 高齢者に多い症状や疾患について正しいものはどれか。3つ選べ。
1 パーキンソン病の臨床的重症度の評価は,NYHAの重症度分類によって行う。
2 狭心症の発作に対しては,ニトログリセリン製剤の投与が効果的である。
3 褥瘡は,大転子部には発症しにくい。
4 疥癬は,集団感染の危険性がある。
5 肝不全の症状として,食欲不振,全身倦怠感,黄疸がみられることが多い。
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2018-26
解答2,4,5
1…× パーキンソンの重症度分類とくれば、ホーエン&ヤールですね。これはホーエンさんとヤールさんという方が作った分類方法で、症状がごく軽いI(1)度から全面的な介助
が必要なV(5)度まで分けられています。病気の重さや治療の成果をみるための指標となります。ちなみにすこし細かいことになりますが、パーキンソン病で訪問看護を使う場合、介護保険で使うか、医療保険で使うか、これを判断するときにホーエン&ヤール分類が用いられます。ホーエン・ヤールの重症度4分類がステージ3以上かつ生活機能障害度がⅡ度又はⅢ度のものは、医療保険から訪問看護が給付されることになっています。NYHAは心機能分類の指標です。心不全の重症度を分類するものになります。パ
ーキンソン病とは関係がありません。
2…○ ニトロ製剤は血管の拡張作用がある薬剤です。冠動脈の狭窄が原因で生じる狭心症の発作に投与は有効的です。
3…× 大転子部というのは、太ももの付け根部分ですね。骨が出っ張っているところになります。仰向けでここに褥瘡ができることはありませんが、横向きでは褥瘡が好発する部分になります。
4…× 疥癬は、ヒゼンダニが肌に感染するものです。数百匹程度の通常疥癬と数百万引き程度のノルウェー疥癬とがあります。ノルウェー疥癬は非常に強い感染力を持っているので、個室管理が必要です。集団感染のリスクが非常に高い感染症の一つです。
5…○ 肝臓は血液の浄化を行っている臓器です。身体にとって害となるものを解毒して、身体を正常に保つ働きを担っています。ここが機能不全になると老廃物がカラダに残り、全身倦怠感が生じます。
また、肝臓は食事から得た栄養素を身体に必要なかたち(物質)に変換する役割も担っています。そのため、食欲不振や嘔気などが生じます。また、ビリルビンという黄色い色素の代謝も十分に行われなくなってくるため、白目や皮膚が黄色くなってくることがあります。これが黄疸です。肝機能低下を示す症状の一つです。
解説は以上です。
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【編集後記】挫折という刃
そもそも、挫折するのは、
夢とか目標があるからです。
いつもぼんやりと生きている人には
挫折はありません。
よく高齢の利用者さんが、今は面白くない。
昔はいろんな事があって楽しかった。と言われていた事を思い出します。
挫折が嫌な人は、
夢も目標ももたなければいいわけです。
でも、そんな人生が
面白いはずがありません。
夢や目標があって、
それに一生懸命に向かっていると、
挫折という刃が襲いかかってくる。
そこで転んだり、傷ついたり
するのだけれども、
それでも刃をかいくぐって前へ進んでいく。
すると、また違う刃が…。
という繰り返し。
その緊張感とスリルが、人を成長させるし、
人生の面白みにも
つながっていくのだろうと思います。
あさひ