【編集後記】クレーム対応
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問題 介護給付及び予防給付に要する費用について正しいものはどれか。3つ選べ。
1 国の負担分は、すべての市町村について同率である。
2 費用の総額は、公費と保険料によりそれぞれ50%ずつ賄われる。
3 市町村の一般会計における負担分は、すべての市町村において同率である。
4 第2号被保険者の保険料負担分は、各医療保険者から各市町村に交付される。
5 保険料負担分の総額は、すべての市町村に係る第1号被保険者と第2号被保険者のそれぞれの見込数の総数の割合で按分される。
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(2020-12)
解答2・3・5
1…誤り 介護保険の保険給付事業、地域支援事業の財源構成は3種類です。4つに分けられます。
具体的には、
①居宅給付 国25%、県12.5%、市12.5%、第1号保険料23%、第2号保険料27%
②施設等給付 国20%、県17.5%、市12.5%第1号保険料23%、第2号保険料27%
③総合事業 国25%、県12.5%、市12.5%、第1号保険料23%、第2号保険料27%
④包括的支援事業・任意事業 国38.5%、県19.25%、市19.25%第1号保険料23%です。介護給付、予防給付に要する費用は①②となります。①②③の国の負担分(国庫負担)は、細かく見ると2つに分けることができます。どの市町村にも一律で交付される「一律交付金」と第1号被保険者の所得分布などによって交付される「調整交付金」とに分かれます。
調整交付金は5%を標準に行われ、市町村間の財政格差の調整がされますので、5%より多く交付される市町村もあれば、5%より少なく交付される市町村もあるということです。すべての市町村で同率ではありません。
2…誤り 設問1にあるように、介護給付、予防給付に要する費用は①②となります。①居宅給付、②施設等給付とも2分の1保険料、2分の1公費で構成されています。
3…正しい 介護給付・予防給付に要する費用の市町村負担分は、市町村の一般会計から拠出されます。市町村の負担分は、どの市町村でも同率です。
4…誤り 第2号被保険者の保険料負担分は、社会保険診療報酬支払基金から市町村に交付されます。第2号被保険者の保険料は医療保険者が徴収します。医療保険者が徴収した保険料は、社会保険診療報酬支払基金に介護給付費・地域支援事業支援納付金として納付されます。社会保険診療報酬支払基金から市町村へは介護給付費交付金、地域支援事業支援交付金として保険者である市町村の特別会計に交付されます。
5…正しい 1号被保険者と第2号被保険者の保険料負担の按分割合は、第1号被保険者と第2号被保険者のそれぞれの見込量の総数の割合です。これは、3年ごとに見直されています。保険料負担の「按分割合」とありますが、「按分」とは、「基準となる数量に比例した割合でものを割り振ること。比例配分」という意味になります。ということで、第1号被保険者と第2号被保険者のそれぞれの総人数を基準として人数比で保険料負担を割り振っています。別名、被保険者負担率と言います。
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【編集後記】クレーム対応
以前の職場の研修でよくクレーム対応の勉強を行っていました。
弱みや、ちょっとした失敗につけこんでくる方って意外に多くいます。
対応の方法をみていきましょう。
①:状況を把握する
まず、クレームをつけてきた内容と状況を把握します。
名前と住所、電話番号をたずねます。
「名前なんか言う必要がない」と言われたら「クレームには会社で対応させていただきますので、お名前をうかがえないのならお答えできません」と答えます。
ここで「では結構です」と、不利益を想定した心理から終了するクレーマーが大半です。
水際で食い止めることが重要です。
②:とにかく話を聞く
とにかくクレーマーの話を徹底的に聴きます。
口をはさまず、質問せず、急がせず、もちろん絶対に反論せずに、言い分をすべて聞きます。
言って良いのは相槌とオウム返しだけです。
「寂しい」「わかって欲しい」心理のクレーマーは、最後まで聞いてもらうと満足する場合が多いのです。
言い分をきいてもらうと、それだけで「話のわかるやつだ」と思ってしまうものです。
③:謝る
クレーマーの話を全部聴き終わったら、謝罪をします。
「謝ったら非を認めることになるから謝ってはいけない」と言う人がいますが、そんなことはありません。
非を認めるのではなく、嫌な思いをさせたことのお詫びをするのです。
クレーム内容の大半が「謝って済む問題」です。
ここでしっかり謝罪をすると、クレームはこれにて終了です。
謝罪が足りないと、謝って済む問題がこじれてしまい、悪質クレームに発展する可能性があります。
「謝って欲しい」クレーマーの心理を、しっかりと満たすことが大切です。
④:場所と担当者を変える
謝っても納得しないクレーマーは「こちらへどうぞ」とオフィスに案内して、責任者に対応を任せます。
「特別な場所で話をきいてもらえる」「立場が上の人間が相手をしてくれる」という扱いが、クレーマーの自尊心を満たします。
「自分の話をちゃんと聞いてくれる」「そこまでしてくれるのなら良いかな」と、これだけで満足するクレーマーもいます。
⑤:証拠を押さえる
暴走する感情や不満が収まらず、暴れだす悪質クレーマーに対しては、証拠を押さえることが必要です。
暴言や暴行、金品の要求等、クレーマーの言動を監視カメラやボイスレコーダーで記録します。
裁判沙汰になったとき、争点になるのは「言った」「言わない」がほとんどです。
暴行罪、脅迫恐喝罪として起訴できる案件になるかもしれません。
この場合、無断録音してもプライバシー侵害にはなりませんが「念のため録音させていただきます」と言うと、心理的に冷静になるクレーマーもいます。
⑧:真摯に受け取る
クレーマーの言い分を「自社の改善に役立てる」と真摯に受け取ることも重要です。
飲食店でサービスが悪いと言われたら「どうすればユーザーが満足するのだろうか」と考えます。
「オーダーしたものが出てくるのが遅い」原因は、スタッフの動線が考慮されていないレイアウトなのかもしれません。
オーダーシステムをもっと簡略化できるかもしれません。
クレームを真摯に受け止めて、改善して向上する学びだと捉える企業は、成長することでしょう。
⑨:敬意を払う
常に根底に「相手に敬意を払う」姿勢を忘れないことが大切です。
傾聴するときも謝罪するときも証拠を押さえるときも、敬意を示した態度を崩しません。
クレーマーは文句を言っているので、当然イライラしています。
クレームを受ける人も、理不尽な思いをしているので、イライラする気持ちも分かります。
でも、ここはひとつ「困っているのはお客様」という基本姿勢で共感してみます。
人間は認めてもらうと穏やかになるものです。
敬意を払うと、クレーマーの心理も満たされて、クレーム処理も首尾よく運びます。
クレーマーの心理は「自分を認めてほしい」「寂しい」で、ほぼ形成されていることがわかりました。
不満を抱えているので、丁寧に相手をしてくれる人に難癖をつけてかまってほしいだけなのです。
そんなクレーマーには「傾聴」「謝罪」「感謝」があれば、十分に懐柔できます。
とことん話を聴いてあげて、心から謝って、貴重な意見をしてくれたことに感謝します。
一貫して敬意を払う姿勢を見せて実行すれば、クレーマーの頑なな態度も緩和できるでしょう。
あさひ
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